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ケニア紅茶〜深呼吸したくなる、白砂糖のような味わい
多くの人々が口にしているはずのケニア紅茶
“ケニア紅茶”と聞いて、ピンと来る人はいったいどれくらいいるでしょうか?ケニアは茶葉の輸出総量で見ると世界一を誇る国ですが、その事実はあまり知られていないかもしれません。ですが、おそらく多くの人々がこれまでにケニア紅茶を口にしてきているはずなのです。というのも、世界で最も有名な紅茶ブランドの一つである“リプトン”のイエローラベルシリーズは、まさにケニア茶葉を中心に世界中の茶葉をブレンドし作られているからです(https://brand.lipton.jp/about-lipton/kodawari.html)。それ以外にも、日本に流通するブレンド紅茶の多くに、ケニアの茶葉が含まれています。
それにもかかわらずあまり馴染みのない“ケニア紅茶”。その歴史や背景をご紹介したいと思います。
ケニア紅茶の歴史
ケニアで茶葉の栽培が始まったのは、1900年代。インド、セイロンで茶業に従事してきたイギリス人技術者などが茶栽培の新天地として東アフリカに着目し、1903年に栽培実験を試み、1924年以降本格栽培に移ったといわれています。
リプトンを生産販売する世界有数の一般消費財メーカー“ユニリーバ”(イギリス・オランダに本拠地)とケニアの紅茶の歴史は、その当初から深い結びつきを持っており、1924年に約400ヘクタールの土地を取得、紅茶工場を建てて以降、 ケニア茶葉の生産加工を手掛け続けています。
ケニアは1963年までイギリスの植民地でした。独立以前は、ケニア人が茶園を所有することのみならず、商業目的で茶葉を栽培することさえ禁じられていましたが、現在はケニア資本の茶園やメーカーも多く見られるようになりました。独立後に政府が奨励した小規模農家による茶栽培は、現在に至るまでケニアの茶産業を支え続けています。
世界第3位の茶葉産出国、輸出総量は世界1位
現在ケニアは、中国・インドに次いで世界3位の茶葉生産量を、輸出総量では世界1位を誇ります。主な輸出先は、パキスタン、エジプト、イギリス、アフガニスタン、アラブ首長国連邦、ロシア、イラン、スーダンなどです。紅茶の消費世界一を誇るイギリスで最も多く消費されている紅茶も、ケニア産です。
大規模プランテーションと小規模農家による茶葉の栽培
ケニア茶葉の55%は小作農の栽培によるもの、残り45%が大規模プランテーションにおける栽培というのが実情です。小規模農園の多くがケニア山(Mount Kenya)の周辺に位置するのに対して、大規模プランテーションの多くは大地溝帯(Great Rift Valley)の西側に位置します。茶栽培のみならず、その加工、流通、関連産業に携わる人々とその家族の人数は、約5,000万人の人口の1割にものぼると言われています。
茶園の標高は平均して海抜2,000m。インド洋に面する赤道直下の高原国ケニアは熱帯性の気候で、年間雨量が1,200mm〜1,400mm、気温は12~25℃、お茶の栽培に最適な環境です。クオリティーシーズンは1月末~2月と7~9月の2回、最も収穫量の多いシーズンは雨季と重複する3月〜6月と10月〜12月の2回ですが、年間を通じて安定した品質のよい製品ができることで高い評価を得ています。こうした環境の中、年間通して茶摘みが行われています。また、高地の冷涼多湿な気候が自然の防虫効果を発揮するため、多くの農園では防虫剤が使用されていません。
一芯二葉、手摘みのケニアティー
ケニアの茶葉は、栄養繁殖という厳選された茶の木の幹を切り出し増植させていく方法で植え付けられます。そして17日ごとに、最もフレッシュな一芯二葉、つまりまだ葉が開いていない「芽」の状態の葉=「芯」と、その下の2枚の葉の部分のみを手で摘み取ります。生まれたてでとても柔らかい一芯二葉は、まだ紫外線をあまり浴びていないので、渋みのもととなるカテキンが生成が適度なレベルに止まり、甘みの強いおいしいお茶になります。日本茶でいうと、新茶や玉露の最高級品が一芯二葉から作られています。
ケニア紅茶の品種は基本的にアッサム系の交配種ですが、それぞれの産地に適した45種類もの品種が栽培されています。またケニアではパープルティー、グリーンティー、ホワイトティー、イエローティーなども生産されています。パープルティーとは、ケニアで開発・登録された不発酵茶。2012年に商業栽培が成功したばかりの茶樹の新品種です。アントシアニン、ポリフェノール、カテキンをふんだんに含み、緑茶や紅茶よりも高い抗酸化活性が認められている注目のお茶です。
ケニア茶葉はCTC(CRUSH(押しつぶす)、TEAR(引き裂く)、CURL(丸める)の頭文字)製法により加工され、高品質な茶葉(Primary grade)はそのサイズによって、①Broken Pekoe (BP1)、②Pekoe Fanning’s (PF1)、③Pekoe Dusts (PD’s)の3つのグレードに選別されます。茶葉の大きさによってグレード分けされる理由は、サイズによってその味やカフェインの出方が異なるからです。大小どちらかが常に優れているというわけではなく、最終的に作りたい紅茶の嗜好によって選ぶグレードが異なってきます。
メイド・イン・ケニアの紅茶商品〜Kericho Gold〜
ケニアでは世界一の輸出量を誇る紅茶が生産されてきています。しかし、その多くは最終化される前段階の原材料として輸出されています。輸入者が直接製茶会社から買いつける茶葉は生産量の2割にとどまり、国内消費の1割を除いた7割の茶葉はモンバサオークションと呼ばれる競売で売り買いされています。モンバサオークションでは、ケニア茶葉のみならず、タンザニア・ウガンダ・ルワンダ・コンゴ・ブルンジ・マラウィ・モザンビーク・マダガスカルなどアフリカ各国で生産された茶葉も取引されています。
近年、ケニアでは茶葉を原材料として輸出するだけでなく、最終商品化し世界に送り出していこうとするメーカーが国内外から評価を集め始めています。Proudly from Africaで取り扱うKericho Gold(ケリチョゴールド)は、その筆頭株。
Kericho Goldが最初に手掛けたのはケニア紅茶100%のピュアケニアティーでしたが、その後様々なフレーバーティーやブレンドティーを発表し、現在手がける商品数は100を優に超えます。紅茶のみならず、アフリカ全土・世界各地から厳選された素材を集め、ブレンディング・パッケージングしています。目指すのは、アフリカ発のプレミアムティーブランドとしての確立。その飽くなき挑戦の成果は、商品をお試しいただくことでぜひお確かめください。
Kericho Gold受賞歴
Kericho Goldのブランドストーリーと商品
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